おっさんと少女と夕陽と私
そうだ、今日は海岸に夕陽を見に行こう、新しいカメラも持ってな!
と、いそいそと海岸に出かけました。(カメラの腕はおいておいてください。)
(おお、もうかなり夕陽だ…)
あともう10分もしないうちに、陽は沈みそうです。
まずは、砂浜手前の道路から写真を撮っていたのですが
ふと、砂浜に降りてみたくなったので、砂浜に降り、
気に入った適当なポジションで写真を撮りはじめました。
私の位置から右斜め後ろ5〜6メートルの距離には
釣りをしていた男性が一人いました。
全然浜辺に人がいないのに、この5メートル四方だけ
人口密度高っ!とちょっと思いましたが、
まあいっか、と気にしませんでした。
しばらく夢中になって夕陽を撮ったり、波打ち際を撮ったり、
デジカメの設定を適当に変えてみながら試し撮りしたりするうちに
本日の夕陽ショーは感動的に終了。
夕陽の沈む瞬間をじっと見ていたら、不思議と、
ああ、本当に今日もありがとうございます、
という気持ちが、じわーっと沸き上がってきました。
なんだかとっても幸せな気分です。
さて、あとは、夕陽の沈んだ位置から、ちょっと離れた場所に見える
富士山のシルエットを撮ろうと、きびすを返したその時です。
そこにいたはずの
釣 り の お っ さ ん が 、
少 女 に な っ と る !
まあ単に、釣りの男性のおられた、ほぼおんなじ場所に、
いつのまにやら20代くらいの女性が来て、
夕陽にたそがれて、私と同じく写真を撮っていたのですが、
ここで私が妄想系男子ならば、
日没とともに浜辺に舞い降りた少女と恋に落ち、
逢瀬を重ねるうちに心と心が強く結ばれ、もうこれは、2人でひとり。
離れて生きていくなんて、考えられない。
それほどの強固な絆が生まれた矢先…
夕陽が沈むと、姿が変わってしまうという、魔法が解け…
少女の姿はおっさんに戻った。
が、二人の心はもう、離れない・・・
Fin.
妄想系男子でなくてもふつうに妄想しとるがな。
その場所には、釣り人がいるとばかり思っていたので、
思い込みってすごいよね。
諸行無常とはこのことかと。(?)
波の音にかき消されたのか
入れ替わった気配をまったく感じなかったので、
気づかない自分に、軽くウケたよね。
そして、なぜ、よりによって
ピンポイントでその場所(釣り人のいた場所)に
彼女はたたずんだのか!?って思うよね。
もうこれは、自然と人が集まる場所があるっていう
パワスポ的なミニマムな例なんじゃないかと思うね(?)。
だがしかし、いやむしろ、
ほんとにおっさんが少女に変身してて欲しい。
まだしばらくは楽しめそうな夕焼け空を見つめる少女に、
さっきの釣り人の片鱗が残っているのではないかどうかとチラ見して、
名残惜しくその場を立ち去りました。
▲本日の富士山